石けん作りは冬にかぎる
楽しい夏休み。長い休みを利用して、石けんの手作りを、というアイデアも浮かびます。しかし、石けん作りに夏は鬼門です。
石けんを手作りする場合、苛性ソーダ水溶液を冷まさなければいけないとか、高温だと固まりにくい、という温度の問題があります。
この記事を夏に読まれて、作ってみるか、と思われた方、今は、準備にとどめて、寒くなる11月以降を待ちましょう。
目次
手作り石けんは大きくて、使いがいがある
(市販のものは、せいぜい100グラムで、すぐ無くなってしまう)
冬は水も油も、すぐ冷めて、油も石けんも傷みにくい
冬だと、苛性ソーダを水に溶かしたばかりの高温水溶液を、油にすぐに入れても、油も気温も低いので、どんどん温度が下がります。
油の酸化、分解も起こりにくいのです。石けんになっていくスピードもゆっくりしているので、ちょっと油断している間に固まりすぎていた、ということにもなりにくいのです。そのくせ、固まらないで失敗、ということになりにくく、つまり、固まりやすいのです。
冬の気候を利用して、来秋までの石けんをまとめて、作り置きしました。
真空パック保存で、夏の油焼けもなし
出来上がったものは、真空パックに保管です。これで、冬の大仕事は終わりです。
手作り石けんは、特に、原料の油が少し残りますので、それが真夏になりますと、酸化されて、変色し、ニオイも出てくることがあります。ラップで軽く包み、真空パックに入れて保存すると、そうした心配はなくなります。(ラップで包むと、真空パックが汚れないので、助かります) 寒い季節以外は、石けん作りのことを考えなくてすむのです。
石けん原料を牛乳パックに移して、待つだけ
牛乳パックを切り開きました。牛乳パックに詰めてから2週間ほど後です。乾燥、熟成中です。
「ちょっと、スピードが速すぎるのじゃないか?」と、思われる方もあるかもしれません。実は、苛性ソーダがかなり多いのです。
実は、割増苛性ソーダ石けんを作っています
苛性ソーダの量といえば、鹸化価から計算して、さらにディスカウント(少なめに)するのが普通らしいのですが、上のものは、割増してあるのです。
糖質制限で、タンパク質と油脂をたくさん摂っているので、新陳代謝が活発になり、普通の石けんでは激しく消費することになってしまいました。炭酸ナトリウムを石けんに足して使うと具合良かったので、炭酸ナトリウム入りの石けんを考えました。
それで、上のものは油に対して、重量比で、苛性ソーダが0.16くらい入れてあります。
苛性ソーダを割増して入れると、油の残りがほとんどなくなり、余分の苛性ソーダは、熟成中に炭酸ナトリウムになってくれている、というわけです。
やや強い弱アルカリ性ですので、洗浄力がアップ、石けん消費量ダウン、となります。ついでに、石けんも作りやすくなって、楽ちんです。
台所用には、さらに割増苛性ソーダ
さらに、台所用には、0.2くらいの苛性ソーダを入れて作ります。タフな石けんとなり、油汚れもよく落ちます。もちろん、台所ではゴム手袋を欠かしません。
合成洗剤はくさいし、ヤシノミ洗剤やカリ石けんは洗浄力が意外と弱く、炭酸ナトリウム入りのナトリウム石けんとなりました。
ちなみに、油は庶民の味方、キャノーラ油を使っています。
どうです? 作ってみませんか?